一般貨物自動車運送事業の概況
運送業の概況
まずは、運送業の概況からです。
2009年の統計データーによりますと運送業界全体の市場規模は約6兆7000億円となっており、日本でも有数の大きなマーケットとなっています。
この大きなマーケットの運送業を大きく分けると、
- 「道路貨物運送業」
- 「水運業」
- 「鉄道業」
- 「航空運送業」
に分けることが出来ます。
さらには、「貨物利用運送業」と、「港湾運送業」というものにも分類できます。
「港湾運送業」とは港などで船舶に貨物等の積み込みをする事業のことをいいます。
運送等は行わず、港湾で積み込みを専門的に行っている事業です。
また、運送業と対になっているのが倉庫業です。
倉庫業とは荷主の商品を倉庫内に保管して、保管料金等を収入源にする事業のことを言います。 運送業者の中には倉庫業と兼業している会社も多くあります。
道路貨物運送業(トラック運送事業)の概況
次に道路貨物運送業(トラック運送事業)の概況です。 先ほど分類した運送業の中でも一番シェアが大きいのが「道路貨物運送業」になります。 事業用トラックを使用した運送業になります。
また「道路貨物運送業」をさらに大きく分けると
- 「一般貨物自動車運送事業」
- 「特別積合せ貨物自動車運送事業」
- 「特定貨物自動車運送事業」
- 「貨物軽自動車運送事業」
- 「第一種貨物利用運送事業」
- 「第二種貨物利用運送事業」
に分類できます。
この中では「一般貨物自動車運送事業」が一般的です。
主にトラックを使った運送業になります。
トラック運送業は国内貨物輸送量の9割以上を担っており、国内の物流の大黒柱的存在です。 事業者数も法律の規制緩和で事業者数が増え、現在は62,988事業者となっています。 (平成23年3月末現在:全日本トラック協会のHPから抜粋)
このうち、車両台数が20台以下の事業者が全体の76,8%,100台以下だと98,5%と事業者のほとんどが中小企業となっております。 しかし、ここ数年は景気の影響からか事業者数の減少傾向が見られ、2009年の統計では統計してから初めて事業者数がマイナスに転じました。
このような事業者数の減少傾向の一つの原因として、運送業界の人件費の高さがあげられます。 運送業界ではドライバーなどの人件費の原価構成比が40%を超えています。 特に運送業は運ぶ荷物が少なくてもトラックを出さないといけないので、赤字企業の多くはこうした荷物の少ない配送を繰り返すことによって経営を圧迫させている現状があります。
トラック運送業の主な歴史
1990年「貨物自動車運送事業法」の制定によりトラック事業の運賃が許可制から届出制になる。
2002年 「貨物自動車運送事業法」「貨物運送取扱事業法」の改正 トラック事業の運賃が届出制から自主制になる。 これで原則運送料金が自由に決められることとなった。 ⇒事業者数が増える。
2009年 事業者数が観測史上初めて減少となる。